適材適所のメリットとデメリット

経営学でいう適材適所とは、適したところに適した人材を配置することである。教育・人材育成を的確に行え、自分を置き換える先輩や同僚達と近くで仕事をすることで、将来の自分像を立てることが出来る。それは従業員に優しい企業作りにもなり、業績を上げるための内部からの改革へとつながる。仕事へのやりがいを見つけ、会社へ自分を惜しげなく献身する雰囲気になってこれば、強力な組織・システムの枠が構築されることになる。
 ところが落とし穴も多い。まず適材適所を判断する基準であるが、他者と自己の評価は必ずしも同じであることは無く、それの相違によって配属先への不満が出ることもありえない話ではない。さらには、顕在的な能力のほかに潜在的な能力についても、他者からはもちろん自分でも直視できるかといえば疑問である。ロールシャッハなどの試験を重ねても、「絶対」には決してならないのが人間の評価である。
 他にも、インフォーマル・グループによる環境からも従業員に対する影響は大きい。会社によって作られる正式な組織の中に出来る非正式な組織では、行動の規範やパワー関係、職場の居心地や育成環境などを決定する。職場では感情を持つ人間が、感情を持ちながら仕事をする「感情の絡み合う場」であるため、適材適所の障害にもなりうるということだ。
 そして短期利益を追求するか、長期利益をするか目的が異なってくるとまた、実行すべき適材適所は異なってくることがある。前者では従業員の教育よりまず売り上げを伸ばすことを第一にすること、後者ではブランド力の強化を重視することというように、何を真に求めているかを見極め、目的の最適化も行う必要があるということだ。柔軟な思考力と精度の高い期待予測が必要とされるだろう。
 優れた経営管理システムの一つである適材適所だが、このように問題も少なからずある。ここに「適時」という言葉を入れると、よりこの言葉は現実感や期待値は増すのではないか。経営側としても先に述べたインフォーマル・グループに対して関心を持ち、互いが互いを刺激し合える雰囲気になるにはどういったタイミングで入れることが適しているか、など問題を意識し考慮する必要がある。相互刺激のほかにも、相互補完、相互牽制のバランスを取ることは重要だ。抽象的な概念ではあるが、これをしっかり観察し具象化させ、どちらかが傾いていたら迅速な対応で適時適材適所を実行しなければならない。
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by mydream53 | 2006-01-02 16:13
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